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なるほどマネー学

つばめ先生のなるほど税金学 第14回
消費増税に備えて

更新日:2019年3月20日

今年の10月からいよいよ消費税が8%から10%へと引き上げられます。消費税の増税は私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。今のうちにやっておくべきことはなんでしょう。今回は、つばめ先生ことつばめ税理士事務所の渡邉久嗣先生に「消費増税」のポイントについて分かりやすく教えていただきます。


2019年10月1日から消費税の税率が8%から10%へと引き上げられる予定です。

家電や車など、いずれ買い替える予定のものなどは、消費税率が8%のうちに購入することを検討しても良いかもしれません。当事務所でも、Windows7のサポートが2020年1月14日で終了することもあり、古いパソコンを今のうちに買い替えようと考えています。

さて、9月30日より前に商品を注文した、または役務提供の契約をしたが商品の引き渡しや役務提供の完了が10月1日以降になった場合、消費税率は8%、10%のどちらになるでしょうか。この場合、原則として、消費税率は10%になります。そのようなことを避けるため、余裕を持った注文や契約をしたいものです。

しかしながら、これにはいくつかの経過措置(特例)が設けられています。例えば、鉄道の前売乗車券や定期券、回数券は、乗車日が10月1日以降でも9月30日までに代金を払っていれば消費税率は8%です。航空券や映画、演劇の前売券も同様に扱うことになっています。

さて、経過措置の中で金額的に大きいものが、工事の請負等に関する経過措置です。
これは「工事の請負など一定の契約を、2013年10月1日から2019年3月31日までの間に契約を締結する場合、引き渡しや役務提供が2019年10月1日以降であっても消費税率は8%のままとする」というものです。今回は、工事の請負の中でも住宅の新築に関する経過措置を中心に、Q&A形式でお話しします。

Q 工事の請負の定義を教えてください。

 国税庁資料では、工事の請負に係る契約について「日本標準産業分類(総務省)の大分類の建設業に係る工事につき、その工事の完成を約し、かつ、それに対する対価を支払うことを約する契約」としています。注文住宅はまさに工事の請負ですから、2019年3月31日までに契約を締結すれば、建物の完成時期がいつであっても消費税率は8%になります。また、リフォーム工事も同様に経過措置が適用されます(戸建て住宅で長期間を要するリフォーム工事というのはなかなか少ないとは思いますが)。


Q 着工日に制限はありますか?
A 着工日については、特に制限はありません。

Q 工事の請負の経過措置は注文住宅限定でしょうか?

 分譲住宅や分譲マンションでもあっても要件を満たせば経過措置の適用があります。


Q 分譲住宅の場合、経過措置が適用されるのはどのような場合ですか?
A すでに建設されている住宅であっても、以下のような場合には、経過措置が適用されます。
①顧客の注文を受け、内外装の模様替え等をした上で譲渡する契約を締結する
②その住宅が新築である
③その注文及び譲渡契約の締結が2013年10月1日から2019年3月31日までの間に行われている

Q 分譲マンションの場合、経過措置が適用されるのはどのような場合ですか?

 マンションの完成前に売買契約を締結するいわゆる「青田売り」を行う場合、以下のような場合で、2013年10月1日から2019年3月31日までの間に契約を締結したものは、経過措置の適用があります。

①壁の色やドアの形状等について特別の注文を付すことができるマンション

建物の購入者の注文を付すことができる青田売りのマンションであるが、購入者の希望により、標準仕様の建物を購入した場合


上で見てきたように、分譲住宅、分譲マンションについても、注文住宅同様に、広く経過措置を適用させる意図があるようです。まず②ですが、国税庁は、「標準仕様」という注文をしたのだから、経過措置を適用すると解説しています。標準仕様がOKなのですから、ちょっとでも注文を出すなら、当然、経過措置を認めるというのが①の考えでしょう。その一方で「建物の購入者が全く注文を付すことができないマンション」については、経過措置の適用がないと解説しています。

Q 契約後に金額が変更になった場合、経過措置は適用されますか?

 請負金額の変更が、2019年4月1日以後に行われた場合には、増額部分については、経過措置の適用はありません。


Q 中古住宅に消費税はかかりますか?

 現所有者が個人であり、住宅として使用している場合には、その建物について消費税はかかりません。また、土地部分の譲渡については現所有者が誰であっても非課税です。


Q 経過措置の適用を受けることができませんが、何かほかに優遇制度はありませんか?

 住宅の取得が10%になってからの場合には、別の制度で優遇があります。ここでは、簡単にご紹介します。

①住宅ローン減税の最大控除額の引き上げ

平成31年に居住開始の場合、取得した住宅の消費税率により、1年当たりの最大控除額が異なります。
8%で取得・・・控除額は最大20万円(認定住宅は最大30万円)
10%で取得・・・控除額は最大40万円(認定住宅は最大50万円)

②住宅取得資金の贈与における非課税限度額の拡大
親や祖父母から住宅の新築、取得、増改築のための資金の贈与を受けた場合、現行であれば、最大で1,200万円までの贈与について贈与税が非課税となりますが、消費税の税率が10%の住宅の取得等の資金の贈与については、非課税枠が最大3,000万円までに拡大されます。
③すまい給付金の増額
消費税率が8%になった時点で「すまい給付金」制度が導入されました。現在は最大で30万円の給付ですが、10%時には最大で50万円と給付額が引き上げられます。
なお、給付金を受け取るには、収入などの要件があります。


経過措置の適用を受けるためには、2019年3月31日までに契約の締結をする必要があります。間に合わない場合には、他の優遇措置で増税分を上手にカバーしてください。



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2014年2月27日
harakana さん

医療費控除のこと、まさに「なるほど!」と勉強になりました。

難しい税金についてわかりやすい説明ありがとうございます。

つばめ先生、今後の連載も楽しみにしています〜!

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