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なるほどマネー学

つばめ先生のなるほど税金学 第9回
贈与税 Vol.4

更新日:2016年7月20日

つばめ先生ことつばめ税理士事務所の渡邉久嗣先生に、贈与税について教えていただいていますが、今回は、直系の尊属から、教育資金の一括贈与を受けた場合について詳しく教えていただきます。

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税


直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税とは、祖父母や父母が、30歳未満の子や孫の教育資金を贈与した場合、受贈者1人につき1,500万円までが非課税となる制度です。孫が祖父と祖母の2人から合計3,000万円の贈与を受けても限度額は1,500万円です。信託会社、銀行、証券会社を利用することに制度の特色があります。 今回はこの教育資金の一括贈与についてお話をします。

1 あらまし 


  • (1)平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に
  • (2)30歳未満の者が教育資金に充てるために
  • (3)直系尊属(自分の父母、祖父母、養父母など)から
  • (4)次のいずれかに該当する場合
  • ①その直系尊属と信託会社との間の教育資金管理契約に基づき信託の受益権を取得した場合
  • ②その直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭を教育資金管理契約に基づき銀行等において預金もしくは貯金として預入をした場合
  • ③教育資金管理契約に基づきその直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭等で金融商品取引業者の営業所等において有価証券を購入した場合
  • (5)①の場合はその信託受益権、②の場合はその金銭、③の場合はその金銭等のうち1,500万円までの金額は贈与税が非課税となります。
    ただし、学校等以外の者(塾や習い事など)に支払われる金銭については500万円が限度となります。

  • 対象となる受贈者が30歳未満ということですから、小中学生徒はもちろんのこと、いったん就職した孫が20歳を過ぎてから進学したい、留学をしたい、資格取得を目指したいといった場合でも下記の教育資金の要件を満たせば適用を受けることができます。


2 銀行に預金をした場合の流れ


  • ここでは、祖父が孫に教育資金を贈与して銀行に預金を預ける場合を例にご説明をします。
  • (1)祖父と孫の間で贈与契約を書面で締結し、金銭の贈与をします。
  • (2)銀行と教育資金管理契約を結び口座を開設します。
  • ※複数の教育管理契約を結ぶことはできません。
  • (3)「教育資金非課税申告書」を、銀行を経由して税務署に提出します。
  • ※税務署に出向く必要はありません。
  • (4)教育資金を支出します。
  • (5)教育資金の領収書を銀行に提出して払い戻しをうけます。

3 教育資金の範囲


  • (1)学校等に対して直接支払われる金銭
  • 入学金、授業料、施設設備費、入園料、入学試験にかかる検定料や修学旅行費、学校給食費といった教育に必要な費用で、学校等に直接支払われたことが領収書で確認できるものが該当します。直接業者に支払われた場合(たとえば、教科書代金を業者に払った場合)には、(1)には該当しませんが、下記(2)②イに該当すれば教育資金の対象となります。
  • (2) 学校等以外に対して直接支払われる金銭
  • 上記(1)に該当しなくても、次の①、②のような支出に充てる場合には500万円までが非課税となります。
  • ※(1)が1,500万円まで、(2)が500万円までの合計2,000万円まで非課税ということではありません。全体で1,500万円が限度額になります。
  • ①学習塾、予備校や水泳教室、ピアノといった習い事の授業料や施設費、使用する教材や用具でその塾や指導者に直接支払われるもの
  • 学習塾の月謝なども500万円までですが非課税の対象となります。教材や習い事で使用する用具については、その塾や指導者に直接支払われる場合には非課税になります。ただし、塾や指導者を通さず購入した場合(たとえばスポーツ用品の専門店でユニフォームを購入した場合)には非課税の対象となりません。
  • ②物品の販売店などに支払われるもの
  • イ 学校等で必要となる費用を業者に直接支払った場合で、学校等が必要と認めたもの。
    学校等で必要な費用等を直接業者に支払った場合で学生等の全部又は大部分が支払うべきものとその学校等が認めたものは、500万円までの非課税の対象となります。
    教科書や教材、学校指定の学用品(制服や通学かばん)を業者から購入した場合が該当します。
  • ロ 通学定期券代
  • ハ 留学渡航費、学校等に入学・転入学・編入学するために必要となった転居の際の交通費。

  • 教育資金や学校等の範囲については文部科学省のホームページに詳細な解説がありますので、ご参考にしてください。
    http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/zeisei/1332772.htm

    4 契約の終了 


      教育資金管理契約は次のいずれか早い日に終了します。
    • (1)受贈者(子や孫)の30歳の誕生日の前日
    • (2)受贈者が死亡した日
    • (3)教育資金管理契約に基づき金融期間に預けていた資産の価額が0になった場合で、金融機関との合意により契約終了となった日


    5 受贈者が30歳になった場合の扱い 


    • (1)贈与税が課税される
      受贈者の30歳の誕生日の前日で教育資金管理契約が終了します。この段階で残額がある場合には、残額について贈与税が課されます。たとえば、祖父から1,500万円の贈与を受けたが教育資金の支出が1,000万円だった場合、1,000万円について贈与税は非課税、残額の500万円については、教育管理資金契約終了日の法令による贈与税が課税されます。なお、贈与者が契約終了日以前に死亡している場合でも同じ扱いです。
    • (2)契約終了から3年以内に贈与者が亡くなった場合
      上記(1)で贈与税が課税され、かつ、その契約終了日から3年以内に贈与者が死亡した場合には、生前贈与加算の適用があります。

    6 受贈者が死亡した場合の扱い 


    受贈者(つまり子や孫)が死亡した場合には教育資金管理契約は終了します。この段階で残額がある場合でも贈与税の課税は生じません。ただし、この残額は受贈者の相続財産となりますので、相続税の課税対象となります。


7 教育資金管理契約に基づき金融期間に預けていた資産の価額がゼロになった場合で、金融機関との合意により契約終了となった日の扱い  

簡単にいうと、預金残高がなくなったということです。引出額のうち教育資金に該当しないものがあった場合、その教育資金に該当しない部分には贈与税が課税されます(この場合は実際の贈与日ではなく、教育管理資金契約終了日の法令による贈与税が課税されます)。

8 教育資金管理契約の終了の前に贈与者が死亡した場合


贈与者(祖父母など)が死亡した日現在で、4(1)から(3)のいずれにも当てはまらないので教育資金管理契約が継続している場合でも、この教育資金については、贈与者の相続税の計算には関係させません。

9 教育費用の贈与は非課税 


この教育費用の一括贈与の非課税の制度が平成25年に導入されましたが、従来から扶養義務者相互間の生活費や教育費の贈与は非課税でした。
従来の規定では、生活費・教育費の贈与が非課税となるためには、必要な都度贈与を受ける必要があります。たとえば小学校に入学した孫に大学までの学費として数百万円の現金を一括して贈与した場合には贈与税が課税されます。
教育費用の一括贈与の非課税の規定では、一度に多額の贈与をしても非課税にできるのが特色です。また生前に多額の贈与をすることは相続税対策に利用できます。



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2014年2月27日
harakana さん

医療費控除のこと、まさに「なるほど!」と勉強になりました。

難しい税金についてわかりやすい説明ありがとうございます。

つばめ先生、今後の連載も楽しみにしています〜!

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