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その原因と症状

お役立ち医療コラム

「新型コロナウイルス感染症後遺症」とは?
その原因と症状

更新日:2022年1月7日

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今年も、「Withコロナ時代」のアクティブシニアに役立つ情報をお届けしてまいります。

新型コロナウイルスが2019年12月に中国・武漢で発見されてから、2年余りが経ちました。現在ではオミクロンという変異株が世界中で猛威を振るっており、日本でも爆発的なスピードで感染者数が増えています。政府や専門家はきたるべき第6波への警戒を呼び掛けています。

およそ2年に及ぶ新型コロナウイルス感染症の流行ですが、一度罹患した人の間で症状が長引くことが多いのがこの感染症の特徴のひとつといえるでしょう。

新型コロナウイルス感染症後遺症の特徴やその原因、治療法などについてわかっていることをまとめました。

「新型コロナウイルス感染症後遺症」とは?

まず、「新型コロナウイルス感染症後遺症」ですが、Scienceという有名な米国の学術雑誌によれば、「SNSを利用して患者自身が定義を行った歴史上初めての疾患」であると言われています。つまり、回復しても何らかの症状の残る人たちが自身の症状をSNSなどで発信し、同様の症状を有する人たちがそれに呼応し、自分たちの経験を共有することにより、広く認知された、歴史上初の「疾患」なのです。それらがきっかけとなり、症状や病態に対する認知が進み、研究や医療的支援が進みました。

厚生労働省は2021年11月に、新型コロナウイルス感染症の治療に携わる医療関係者向けに「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き」の別冊として「罹患後症状のマネジメント(暫定版)」を発行しました。その中では、新型コロナウイルス「後遺症」あるいは「遷延症状(長期にわたり続く病状)」のことを、「COVID-19 罹患後症状」と呼ぶ、としています。COVID-19は「新型コロナウイルス感染症」のことですので、これ以降、本稿でも新型コロナウイルス感染症後遺症のことを、「COVID-19 罹患後症状」と呼ぶことにします。

「COVID-19罹患後症状」の定義についてはさまざまなものがありますが、例えば米国疾病予防管理センター(CDC)は、「COVID-19罹患後症状」の定義として、1) COVID-19後に再発あるいは継続する健康障害であること、2) 4週間以上症状が持続すること、3) 無症候性COVID-19にも生じること、4) 多臓器に影響を及ぼすこと、5) 原因が不明であること、を挙げています。ちなみに世界保健機関(WHO)は、持続する期間について少なくとも2ヵ月以上、と定めています。

代表的な罹患後症状として、大きく分けて、1) 全身症状、2) 呼吸器症状、3) 精神・神経症状、4) その他の症状、の4つがあります。それぞれ以下のような具体的な症状を伴います。

本邦でのCOVID-19 罹患後症状の状況

日本でのCOVID-19 罹患後症状の状況はどうでしょうか。2020年2月から2021年3月の間に国立国際医療研究センターを訪れたCOVID-19回復後の患者を対象とした研究で10月に発表されたデータによれば、罹患者の4人に1人は半年後も何らかの症状を抱えており、罹患後6ヵ月後に少なくともひとつ以上の症状を有している人は26.3%、罹患後12ヵ月後では8.8%となっています。また、急に症状が現れる時期であることを指す「急性期」の症状は徐々に改善するものの、後になって表れる遅発症状は長引く傾向があるようです。また、女性や重症患者に後遺症が表れやすい傾向があるようです。また、症状のうち、筋力低下と息苦しさは、明らかに重症度に依存することが示されています。

COVID-19 罹患後症状の原因と治療法

では、このような後遺症はどのような原因で起こるのでしょうか。まだ、はっきりしたことはわかっていませんが、いくつか考えられる仮説として、ウイルスが直接的に臓器(特に肺)を傷害し、その状態が長く続いているのではないか、新型コロナウイルス感染症罹患後に免疫の調節がうまくいかなくなり炎症が生じやすくなるのではないか、血液が凝固する力をウイルスが強めてしまうのではないか、などの指摘があります。さらに、血栓症により血管損傷や虚血(血液が十分に行き渡らない状態)が生じるのではないか、重症だった患者の場合は、集中治療後症候群(集中治療室に入室中あるいは ICU 退室後に生じる身体障害、認知機能、精神障害)をきたしているのはないか、などと考えられています。

ではそれらに対してはどのような治療法が現在、行われているのでしょうか。残念なことに現在確立されている治療法はなく、対症療法が中心となっているというのが実情です。味覚障害に対しては亜鉛やビタミンCなどの補充療法が効果を示したという報告もあれば、効果が認められなかったとの報告もあります。さらに、罹患後症状に対し、ワクチンを接種すると約60%が症状の軽減をみたとの報告もある一方、20%は症状が悪化したとの報告もあります。リハビリや投薬などで、ある程度、症状が改善される場合もあるようです。かかりつけ医に診てもらってもなかなか症状が改善しない場合は、専門医を受診することをお勧めします。

結局のところ、「COVID-19 罹患後症状を確実に回避するには、新型コロナウイルス感染症に感染しないようにするしかない」と専門家も述べています。日本でもオミクロン株への感染が急激に広がっています。改めて、マスクの確実な装着、手洗い励行、三密の回避など、当たり前のことを日々継続するしかないようです。


引用・参考資料
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/long-term-effects/index.html
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/clinical-care/post-covid-index.html
新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 罹患後症状のマネジメント
https://www.mhlw.go.jp/content/000860932.pdf
新型コロナ後遺症 4人に1人が半年後も何らかの症状、女性、重症が後遺症リスク 日本人457人の調査  感染症専門医 忽那賢志
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20211010-00259936

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2019年8月22日
りょう さん

 今回のかんたん健康レッスンvol84「その痛み、気象病かもしれません」は大変示唆に富んだ提言だと思います。来年のオリ・パラは、今からでも遅くない、秋に開催すべきであると、切に思いました。

2019年8月2日
ブラック さん

睡眠時無呼吸症候群って最近TVでも話題にされる疾患ですね。身近な人もこの疾患で治療していたこと聞きました。自分ではなかなか気づかない怖い病気ですね。

2018年12月1日
りょう さん

「かんたん健康レッスン」は、いつも参考にさせていただいております。vol.75「子どもの体力は下「がっているの?」のなかで、「疲労からの回復力」や「柔軟性」が、体力として広くとらえられていることに共感いたしました。体力の低下と言えば、すぐ「鍛えなければ」との思いがわきがちですが、野外での遊びの中から愉しく身につけていくものであることが、よくわかりました。



2018年2月26日
りょう さん

かんたん健康レッスンvoL.68「腸内温度に気をつけよう」は、普段の生活の中ではともすると見逃してしまう視点であり、私の生活習慣を見直すひとつの契機になりました。ありがとうございました。今後とも、このような新しい知見をわかりやすく教えてください。



2017年3月26日
りょう さん

 森田正馬は、自己の体験をもとに、神経症を精神の病でなく自己理解の誤りから生じていると喝破した。たとえば書痙は、文字を書こうとすると手が震えたり強直して書けなくなることで、神経症の一つとされているが、結婚式等の列席者名簿に改めて名前を書こうとするとき、緊張してうまく書けない経験は多かれ少なかれ誰しもあるだろう。普通はその違和感を忘れてしまうのだが、完璧を目指す神経質者はそれに拘り、あってはならないこと、なくそうなくそうとして返ってその違和感が固着する。もともと病ではないのだから、軽症の場合は、森田療法関連の本を読むだけで解決するケースも多く、私もその一人です。

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