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Drさかいの健康指南
Vol.34 睡眠時無呼吸症候群

更新日:2019年6月20日

さかい医院 堺浩之院長

睡眠時無呼吸症候群について、「寝ているときに一瞬息が止まる病気」と理解している人は多いことでしょう。しかし、その「一瞬息が止まる」ことがもたらす弊害については、あまり知られていないようです。「うちの人、いびきがうるさくて!」と嘆いている方、そのいびき、睡眠時無呼吸症候群の症状かもしれません。
今回は、睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気か、どんなところが怖いのか、どんな治療法があるのかなど、堺先生にうかがいました。

睡眠時無呼吸症候群とは


睡眠時無呼吸症候群とは、その名の通り、寝ている間に一時的に「無呼吸」もしくは「低呼吸」になる病気です。
無呼吸とは10秒以上呼吸が止まった状態をいい、低呼吸とは上気道を通る空気が半分以下に低下し酸素飽和度という値が4%以上低下した状態をいいます。寝ているときにこのような状態になると熟睡ができなくなります。

睡眠時無呼吸症候群の症状には、次のようなものがあります。
・いびき
・日中の眠気
・倦怠感
・朝起きたときの頭痛



「いびき」は睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状ですが、寝ている間のことなので、なかなか本人は気づくことがありません。寝室を家族とともにしている人は、その人に尋ねてみてください。「ガーガー」と大きないびきで、しかもそれが一瞬途絶えているようなら、睡眠時無呼吸症候群が強く疑われます。
一方、自覚症状には、「日中の眠気」や「倦怠感」「頭痛」「口が渇く」「起床時にすっきりしていない」「日中の疲労感」などがあります。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ているときに、空気の通り道である上気道が脂肪や舌などによって狭くなったり塞がったりすることが原因で起こります。
仰向けになると上気道が狭くなり空気が通りにくくなります。さらに首の周りに脂肪がついていると気道を圧迫しやすいので、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高まります。したがって、この病気の患者さんはどちらかというと肥満傾向にあります。
しかし、太っていないからと安心ばかりはしていられません。顎が小さいと上気道が狭くなりがちなので、小顔の女性だって無縁な病気ではないのです。

「睡眠時無呼吸症候群かもしれない」と思ったら、呼吸器内科や循環器科に問い合わせしてみてください。もしくは睡眠クリニックと標ぼうしている専門病院を受診してください。
一部耳鼻科でも診療を行っています
病院によっては、睡眠中の酸素飽和度を測定する機器を貸してくれるところがあり、自宅で検査をすることが可能です。この機器で得られたデータで陽性となった場合は、1泊入院して詳細な検査を行います。

睡眠時無呼吸症候群のこわさ


睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠中、無呼吸と低呼吸とを繰り返すことによって低酸素状態となり心臓に負荷がかかります。また、この病気の人は高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などを発症するリスクが高いという報告もあります。心筋梗塞や脳卒中は命にかかわることもある重篤な病気です。
また、睡眠時無呼吸症候群の人は、夜間熟睡できていないために昼間に強い眠気に襲われがちです。眠気から集中力が低下して仕事や学業に支障をきたすことがあり、場合によっては交通事故や仕事中の作業事故などを招くこともあるので注意が必要です。実際に睡眠時無呼吸症候群の人が居眠り運転をした結果、多くの死傷者を出す事故を起こしたこともありました。このような事故では自分だけではなく、他人の命を奪うことにもなりかねません。
無呼吸症候群と診断された人は、最悪の事態を引き起こさないうちに治療を始めましょう。

睡眠時無呼吸症候群の治療



睡眠時無呼吸症候群の治療に、CPAP(シーパップ)という機器を使って圧力を加えた空気を鼻から送り込むというものがあります。寝るときにマスクをあて、バンドで頭に固定するため、一見、苦しそうな印象を受けますが、十分な空気が体内に送られることで熟睡が得られるようになります。これは睡眠時無呼吸症候群の有効な治療です。軽度の場合では、マウスピースを使用することがあります。

しかし、いくら有効な治療であってもCPAPを使ってさえいればよいというわけではありません。
先ほども、この病気の人は肥満傾向にあると述べましたが、心当たりがある方は、適正体重になるようにダイエットを行いましょう。減量することで、睡眠時無呼吸症候群に限らず、生活習慣病全体の発症リスクを軽減することにもつながります。

また、現在の生活スタイルを見直して改善することも必要です。
たとえば、寝るとき仰向けに寝ている人は、横向きに変えるだけで上気道への負担が軽減されます。ただし、寝返りをうって、結局は仰向けで寝ていたということもあります。睡眠中は自分の意思ではどうしようもありませんから、姿勢をコントロールするのは難しいかと思われます。そんなときは、「抱き枕」を利用すると横向きの姿勢で寝やすくなるといわれています。
一方、自分の意思で改められる生活スタイルに「晩酌はほどほどに」というものがあります。アルコールによって筋肉の緊張が緩められると上気道が閉塞しやすくなるのです。夕食の際に飲むビールやワインなどは、食事をおいしく感じさせストレス解消にもなりますが、ベッドに入るときまでには酔いが醒めているようにしましょう。

また、上気道を閉塞させる原因が扁桃腺肥大にあるようでしたら、手術をすることで睡眠時無呼吸症候群の症状も改善されます。

睡眠時無呼吸症候群、よく聞く病名ですが、病気の怖さを正しく理解している人は少ないようです。この病気が引き起こす数々のリスクを理解して、心当たりがある人は病院を受診し、治療をするようにしましょう。

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2018年12月1日
りょう さん

「かんたん健康レッスン」は、いつも参考にさせていただいております。vol.75「子どもの体力は下「がっているの?」のなかで、「疲労からの回復力」や「柔軟性」が、体力として広くとらえられていることに共感いたしました。体力の低下と言えば、すぐ「鍛えなければ」との思いがわきがちですが、野外での遊びの中から愉しく身につけていくものであることが、よくわかりました。



2018年2月26日
りょう さん

かんたん健康レッスンvoL.68「腸内温度に気をつけよう」は、普段の生活の中ではともすると見逃してしまう視点であり、私の生活習慣を見直すひとつの契機になりました。ありがとうございました。今後とも、このような新しい知見をわかりやすく教えてください。



2017年3月26日
りょう さん

 森田正馬は、自己の体験をもとに、神経症を精神の病でなく自己理解の誤りから生じていると喝破した。たとえば書痙は、文字を書こうとすると手が震えたり強直して書けなくなることで、神経症の一つとされているが、結婚式等の列席者名簿に改めて名前を書こうとするとき、緊張してうまく書けない経験は多かれ少なかれ誰しもあるだろう。普通はその違和感を忘れてしまうのだが、完璧を目指す神経質者はそれに拘り、あってはならないこと、なくそうなくそうとして返ってその違和感が固着する。もともと病ではないのだから、軽症の場合は、森田療法関連の本を読むだけで解決するケースも多く、私もその一人です。

2013年2月1日
まめるりは さん

こんにちは。いつも勉強させていただいています。

今回のさかい先生の「ヒートショック」は怖いなあと思いました。

実家のお風呂場がまさに危険な「窓あり」「タイルの床」で茶の間に比べて異常に低温ゾーンです。

リフォームするのは大げさですが、気温差がなくなるようにシャワーでお湯をためたりとするよう伝えたいと思います。

 

まめるりはさん

ご投稿ありがとうございます。

ヒートショック、怖いですよね。家の中の危険ゾーンを極力減らして、安全にお過ごしくださいませ。

(Health Scramble運営事務局)

2013年1月22日
小春 さん

うつ病について、知っているようで知らないことがいっぱいありました。

最近、意外と身近にうつ病で悩んでいた人がいることにびっくりしています。

みんな、少し良くなってから「実は」と教えてくれます。

もっと、つらいときに気づいてあげられたらと思います。

このコラムを読んで、うつ病について、勉強していきたいです。

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