ホーム > 慢性疾患をかかえた方の災害対策

お役立ち医療コラム

慢性疾患をかかえた方の災害対策

更新日:2017年8月21日


近年、日本では地震、台風、集中豪雨と災害に見舞われることが多くなってきた印象があります。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、同年8月には広島で豪雨による土砂災害がありました。今年になっても、福岡・大分を中心に集中豪雨による大規模災害が起こりました。
このような災害は他人事ではありません。日本のどの地域に住んでいても、災害に遭わないという保証はありません。
ここでは、慢性疾患をかかえた方にとくにご準備いただきたい災害対策について考えていきます。

非常用のお薬セットを用意しておく


慢性疾患には、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病から、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、うつ病などの精神疾患まで非常に多くの病気があります。
降圧剤を毎日飲むことで血圧をコントロールしている方、がんの術後補助療法で抗がん薬やホルモン剤を定期的に服用している方、週に1度人工透析をしなくてはならない方、さまざまな病気で薬や病院を必要としている方は少なくありません。

慢性疾患で定期的にお薬を飲んでいたり、定期的に病院で治療を続けている方は、災害に遭った場合を想定して、通常の防災準備のほかに、いくつかの準備をしておくと安心です。


まず、「非常用のお薬セット」として、小さめの袋に3日分くらいの薬と水のペットボトルを用意しておきましょう。
「非常用のお薬セット」の中には、健康保険証のコピーとともに、お薬手帳、もしくは調剤薬局でもらう薬の説明が書かれた「薬剤情報提供文書」を入れておくとよいでしょう。
これらを入れた袋は、玄関に通じる場所に置いておきます。

最低限の食料や懐中電灯、軍手などを入れた非常用持出袋を用意しているご家庭も多いかと思いますが、「非常用のお薬セット」は非常用持出袋とは別にしておきます。
なぜなら、非常用のお薬セットのなかの薬は定期的に入れ替える必要があるからです。病院で新しく薬をもらってきたら、非常用の薬も入れ替える習慣をつくるとよいでしょう。薬の期限切れを防ぐとともに、処方内容が変わった場合にも対応できます。





外出時に災害に遭遇することを考え、バッグのなかに、健康保険証(コピーでも可)やお薬手帳、日頃飲んでいる薬2日分を入れておくと安心です。
お薬手帳には、その方がこれまで服用してきた薬の情報が書かれていますので、手帳を提示すれば災害時に受診した新たな医療施設でも同じような治療が受けられます。

また、緊急連絡先としてお子さんや親しくしている親戚などの連絡先を、健康保険証のコピーに書きこんでおくとよいでしょう。
そして、緊急連絡先として指定した方には、ご自分の病気の経緯、ふだんから服用している薬の名前、かかりつけの病院の情報などをあらかじめ知っておいてもらうのです。
万が一、意識のない状態で病院に運ばれたとしても、このような情報があれば、医師は迅速に治療の判断をすることができます。

災害時の受診、どうしたらいい?


大規模災害が起こったとき、かかりつけ病院も被災することが想定されます。そのような場合には、災害拠点病院を受診することになります。お住まいの地域の「災害拠点病院」はどこになるのか、あらかじめ調べておくと、いざというとき安心です。
確認には、厚生労働省がまとめた災害拠点病院一覧 (平成27年4月1日現在)をご覧ください。

日ごろ通院している病院とともにお近くの災害拠点病院の連絡先を携帯電話やスマートフォンに登録しておくのも一考です。


また、災害が起きた地域には、「災害派遣医療チーム=DMAT(災害発生からおおよそ48時間以内に活動できる能力のある医療チーム)」が派遣されます。避難所等を訪れたDMATの医師に診てもらい、薬を処方してもらうことが可能です。
ただし、DMATが持参した薬のなかに、日頃から飲んでいる薬がないこともありますが、元の薬に近い成分の薬を処方してくれるはずです。そのようなケースでは、お薬手帳にある情報が役に立ちます。災害時にも携帯するようにしましょう。

突然、地震や集中豪雨などの災害に見舞われたら、心身共に疲れますし、避難所生活はストレスがかかることと思います。血圧が高めの人はさらに高くなる心配がありますので、ご自分の体調を詳細にチェックすることが大切です。また、非常時にはがんばりすぎて、心身の不調に気がつかないことがあります。決して無理をしないということを心がけましょう。
少しでも気になることがあったら、我慢せずに医療スタッフを探し、相談してください。医師以外では、保健師は避難所を定期的に巡回しています。

避難所生活で気をつけたいこと



避難所での生活で気をつけていただきたいのが、感染症対策です。
多くの方が共有スペースで生活するため、病気をすでに持っている人、高齢者、幼児は人一倍の注意が必要です。

避難所の生活では、水がとても貴重になると思いますが、食事の前やトイレの後には石けんを使って手洗いをしてください。速乾性のアルコール手指消毒薬などの用意があれば利用しましょう。

マスクがあれば着用するようにしてください。使い終わったマスクは避難所内の決められた廃棄場所に捨てるようにします。感染拡大を防ぐ意味で、ゴミの廃棄方法にも注意が必要です。

また、感染症は免疫力が低下することでかかりやすくなります。慣れない避難所生活で難しいかと思いますが、食事と睡眠はしっかりととるように心がけます。


一生、災害に遭遇せずに終われば、それは幸せなことです。しかし、災害は、いつ誰の身にふりかかっても不思議はありません。
ここでご紹介した災害準備が杞憂で終わることを願っています。

投稿の方法はこちら

おしゃべりパーク
クチコミを投稿する
写真1
写真2
写真3

※写真は幅205pxにリサイズして表示されます。

2017年3月26日
りょう さん

 森田正馬は、自己の体験をもとに、神経症を精神の病でなく自己理解の誤りから生じていると喝破した。たとえば書痙は、文字を書こうとすると手が震えたり強直して書けなくなることで、神経症の一つとされているが、結婚式等の列席者名簿に改めて名前を書こうとするとき、緊張してうまく書けない経験は多かれ少なかれ誰しもあるだろう。普通はその違和感を忘れてしまうのだが、完璧を目指す神経質者はそれに拘り、あってはならないこと、なくそうなくそうとして返ってその違和感が固着する。もともと病ではないのだから、軽症の場合は、森田療法関連の本を読むだけで解決するケースも多く、私もその一人です。

2013年2月1日
まめるりは さん

こんにちは。いつも勉強させていただいています。

今回のさかい先生の「ヒートショック」は怖いなあと思いました。

実家のお風呂場がまさに危険な「窓あり」「タイルの床」で茶の間に比べて異常に低温ゾーンです。

リフォームするのは大げさですが、気温差がなくなるようにシャワーでお湯をためたりとするよう伝えたいと思います。

 

まめるりはさん

ご投稿ありがとうございます。

ヒートショック、怖いですよね。家の中の危険ゾーンを極力減らして、安全にお過ごしくださいませ。

(Health Scramble運営事務局)

2013年1月22日
小春 さん

うつ病について、知っているようで知らないことがいっぱいありました。

最近、意外と身近にうつ病で悩んでいた人がいることにびっくりしています。

みんな、少し良くなってから「実は」と教えてくれます。

もっと、つらいときに気づいてあげられたらと思います。

このコラムを読んで、うつ病について、勉強していきたいです。

2012年6月26日
ふく ちゃん

Drさかいの健康指南、これから楽しみです。

かかりつけのドクターの必要性は実感しています。

うちの親は気になる病気の症状は、家の近くのクリニックに行き、

紹介状をもらい、市民病院で検査しています。

これで、大きな病気が初期の段階で発見されました!

 

いきなり大きな病院に行くのは億劫らしく、かかりつけのドクターがいなかったら

病気も進行した段階で発見されたのではないかと思います。

2012年6月8日
summer さん

この間、中学1年生の娘とくすりミュージアムに行ってきました。

うちの娘はまだ学校の授業では、薬について習ってないそうですが、ミュージアムでゲームをしたりと楽しんでいました。

 

帰りは日本橋で食事をしたりと、充実の一日を過ごせました。

Copyright © 2017 Health Scramble All Rights Reserved.