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お役立ち医療コラム

Drさかいの健康指南  Vol.30 睡眠不足と肥満の関係

更新日:2017年4月21日

さかい医院 堺浩之院長

前回は、寝酒で安眠は得られないことを堺先生に教えていただきました。
今回は、睡眠不足がどのように私たちのからだを蝕むのかを教えていただこうと思います。堺先生、寝不足すると、太っちゃうって本当ですか??

日本人は睡眠が足りていない


日本人の睡眠時間は、他国の人に比べてだいぶ少ないですね。1日24時間という限られた時間のなか、やることが多すぎるのかもしれません。また、真面目な性格が災いして、「今日中にしなくては!」と睡眠時間を削ってしまう人も少なくないのでしょう。
でも、ちょっと考えてみてください。その作業は、どうしても今日中にしなくてはいけないことですか? 
真面目な人ほど頑張りすぎる傾向があるようです。

平日は、どうしても寝る時間が少ないため、週末に寝溜めする人もいるようですが、睡眠の帳尻合わせは、うまくいかないものです。やはり、平日もある程度は睡眠時間を確保してください。むしろ週末はだらだら寝ないで、からだを動かしたり、趣味を楽しんだりしたほうが、メンタルヘルスの面からもよいでしょう。

睡眠不足を自覚していない人が多い


睡眠時間を削ってまで無理を続けてしまうのは、真面目で責任感の強い性格も関係ありますが、睡眠不足の自覚がないことも一因となっています。

「なかなか眠れない」「夜中に目が覚めてしまう」などの悩みを抱える睡眠障害は、うつ病などの精神疾患と深く関係があることが指摘されています。睡眠障害の場合、ゆっくり眠りたいと思っているのに、眠れないという認識があるため、本人に睡眠不足の自覚があります。

一方、習慣として睡眠不足の人は、「寝たいのに眠れない」と考えていないため、睡眠不足である自覚があまりないようです。したがって、睡眠時間を改善することなく、これまでと変わらぬ生活を続けてしまうのです。

日本と欧州の9カ国で就労者の睡眠時間を比較したデータ(2006年/総務省統計局労働力人口統計室/「統計」)によれば、10カ国中、日本人は男女ともにもっとも睡眠時間が少ないという結果でした。
もっとも睡眠時間が多いのはフランスで、フランス人の平均睡眠時間は、男性8時間24分、女性8時間38分となっています。
日本では、女性で7時間33分、男性では7時間52分でした。
男女の平均で2国の睡眠時間をみてみると、1日あたり日本では、49分短いことになります。1週間では5時間43分、1年にすると約87日分! 私たち日本人は寝る間を惜しんで活動していることになります。
この数字をみて、「私はもっと寝ていない」という方がいらっしゃるかもしれません。そんな方は、これを機にご自分の睡眠習慣を見直してください。

睡眠不足と肥満の関係


慢性的な睡眠不足が続くと、体内のホルモン分泌に影響を及ぼします。睡眠不足になると食欲を抑えるレプチンというホルモンが減少し、食欲を亢進させるグレリンというホルモンが増えることがわかっています。結果、食べ過ぎてしまうことにもなります。

また、人間は、24時間周期に合わせて、朝になれば目覚め、昼に活動し、夜になれば休息し、眠ります。このサイクルは体内に組み込まれているもので「サーカディアンリズム(概日リズム)」といいます。活動する時間帯と休息する時間帯によって、体温や血圧、ホルモンの分泌などに変化が生じます。したがって、このサーカディアンリズムが狂うと私たちの生体リズムは大きく乱れてしまうのです。

サーカディアンリズムが狂わないようにメンテナンスをしているのが、時計遺伝子と呼ばれるものです。約20種類ある時計遺伝子は夜間にサーカディアンリズムを調節するため活性化しますが、そのうちの一つであるBMAL1遺伝子には、脂肪を蓄積し分解を抑える作用があります。そのため、BMAL1遺伝子が活性化している夜間に食事をすると、太りやすいということになります。昼夜逆転の生活を送っている方、看護師や介護士、警備員など夜勤がある仕事に従事している方は、深夜の間食には注意してください。

睡眠不足・肥満・生活習慣病

睡眠不足と肥満の関係について、ご理解いただけたと思います。そして、肥満の先にある心配事は、やはり生活習慣病ではないでしょうか。実際に、慢性的な睡眠不足の人は糖尿病や心筋梗塞、狭心症にかかりやすいことがわかってきています。

睡眠時無呼吸症候群の方も、睡眠時間の長短にかかわらず良質な睡眠が得られていません。睡眠中に無呼吸状態を繰り返すことで、低酸素血症や交感神経の緊張、酸化ストレスや代謝異常などが起こりやすくなり、結果、高血圧症や虚血性心疾患、脳卒中などの罹患リスクを高めます。

また、「なかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「早朝に目覚めてしまう」などの不眠症状がある人は、良質な睡眠をとっている人に比べて、糖尿病になるリスクが1.5~2倍高いことも知られています。

睡眠不足の人は、睡眠に当てる時間をこれまで以上に確保するように努めてください。睡眠時無呼吸症候群の疑いがある方は、病院を受診して、検査を行い、必要であれば治療を受けてください。近年、睡眠不足や睡眠障害が身体に及ぼす影響がわかってきました。睡眠に関して不安や疑問を感じたら、かかりつけ医や睡眠専門の医師に相談するようにしてください。

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2017年3月26日
りょう さん

 森田正馬は、自己の体験をもとに、神経症を精神の病でなく自己理解の誤りから生じていると喝破した。たとえば書痙は、文字を書こうとすると手が震えたり強直して書けなくなることで、神経症の一つとされているが、結婚式等の列席者名簿に改めて名前を書こうとするとき、緊張してうまく書けない経験は多かれ少なかれ誰しもあるだろう。普通はその違和感を忘れてしまうのだが、完璧を目指す神経質者はそれに拘り、あってはならないこと、なくそうなくそうとして返ってその違和感が固着する。もともと病ではないのだから、軽症の場合は、森田療法関連の本を読むだけで解決するケースも多く、私もその一人です。

2013年2月1日
まめるりは さん

こんにちは。いつも勉強させていただいています。

今回のさかい先生の「ヒートショック」は怖いなあと思いました。

実家のお風呂場がまさに危険な「窓あり」「タイルの床」で茶の間に比べて異常に低温ゾーンです。

リフォームするのは大げさですが、気温差がなくなるようにシャワーでお湯をためたりとするよう伝えたいと思います。

 

まめるりはさん

ご投稿ありがとうございます。

ヒートショック、怖いですよね。家の中の危険ゾーンを極力減らして、安全にお過ごしくださいませ。

(Health Scramble運営事務局)

2013年1月22日
小春 さん

うつ病について、知っているようで知らないことがいっぱいありました。

最近、意外と身近にうつ病で悩んでいた人がいることにびっくりしています。

みんな、少し良くなってから「実は」と教えてくれます。

もっと、つらいときに気づいてあげられたらと思います。

このコラムを読んで、うつ病について、勉強していきたいです。

2012年6月26日
ふく ちゃん

Drさかいの健康指南、これから楽しみです。

かかりつけのドクターの必要性は実感しています。

うちの親は気になる病気の症状は、家の近くのクリニックに行き、

紹介状をもらい、市民病院で検査しています。

これで、大きな病気が初期の段階で発見されました!

 

いきなり大きな病院に行くのは億劫らしく、かかりつけのドクターがいなかったら

病気も進行した段階で発見されたのではないかと思います。

2012年6月8日
summer さん

この間、中学1年生の娘とくすりミュージアムに行ってきました。

うちの娘はまだ学校の授業では、薬について習ってないそうですが、ミュージアムでゲームをしたりと楽しんでいました。

 

帰りは日本橋で食事をしたりと、充実の一日を過ごせました。

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