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日本食品免疫学会公開市民講座
日常生活と免疫機能-食との相乗効果-
免疫を知り、健康になる

更新日:2012年11月28日

2012年10月16、17日、東京・新橋のヤクルトホールで日本食品免疫学会(会長:上野川修一)、第8回学術大会が開かれました。日本食品免疫学会は、食品の免疫調節機能を研究している学術団体で、食品免疫学を新しい科学分野として確立し、発展させることを目指し、2001年に発足しました。近年、一般市民にも「免疫」に関する興味が高まってきていることを受け、今年、学会初の試みとして、公開市民講座「日常生活と免疫機能-食との相乗効果-」が17日に開催されました。そのときの講演内容を簡単にご紹介します。

ストレスと免疫機能

九州大学病院の病院長の久保千春先生による講演「ストレスと免疫機能」では、これまで世界で行われてきたストレスと免疫に関する調査結果をもとに、ストレスを感じると、免疫機能が低下すると話されました。ストレスがかかるようにつくられたケージにマウスを1~60時間閉じ込め、その間の拘束ストレスが及ぼす影響を調べた実験によると、血液中の白血球は拘束24時間で約50%減少したことがわかり、脾臓内のナチュラルキラー(NK)細胞も有意に低下しました。NK細胞は、体内のがん細胞やウイルス感染細胞を発見すると駆逐するはたらきがあります。過度のストレスは、免疫をつかさどる白血球、NK細胞に悪影響を及ぼし、健康を害しやすい状態にしてしまうことがわかっているそうです。 ストレスをためない、ストレスをうまく解消するということの大切さはわかっていながら、ストレス回避ができずに、病気に対して無防備になっている人は少なくありません。そんな方に向けて、久保先生は「腹八分目に医者いらず、腹六分目に薬いらず」という諺をひいて、栄養不良にならない程度の栄養制限が寿命を延長し、病気を予防すると教えてくれました。

睡眠呼吸障害と免疫機能

続いて、横江琢也先生(昭和大学 呼吸器・アレルギー内科 講師)からは、生き物にとって必要不可欠な睡眠と免疫の関係についての話がありました。 不眠症や睡眠障害は、心疾患や脳血管疾患に大きな影響を及ぼしますが、この背景には睡眠不足が免疫系の活動を介して動脈硬化を促進するからだと考えられています。閉塞型睡眠時無呼吸症候群の方は、そうではない人に比べて2倍の確率で高血圧症になるとのことです。また、免疫という観点から離れても、睡眠障害があると日中の生活の質を下げ、さらには交通事故や労災事故など社会にも影響を及ぼすといわれています。 横江先生によると、一般的に睡眠時無呼吸症候群の患者さんはふくよかなイメージがありますが、実際には標準体形の人も多くいるそうです。日中、過度の眠気を来し、生活に支障が起こるようでしたら、ぜひ専門の医療施設を受診することが必要とのことです。

笑いと免疫機能

「笑いと免疫機能」と題した講演を行った岩瀬真生先生(大阪大学大学院 医学研究科・精神医学教室 助教授)は、笑いは生体のホメオスタシスを高める効果があるといいます。 ホメオスタシスとは、生体の内部や外部の環境の変化にかかわらず、その生体の状態が一定に保たれるという生物の性質や状態のことをいいます。 昔から笑いは健康によいと考えられてきましたが、実証的なデータはまだ十分ではないとのことです。しかし、笑いと免疫に関する研究は徐々に報告されてきており、健常者の場合、笑うことでNK細胞が活性したという報告や膠原病やアレルギー性疾患のような免疫異常の疾患では免疫機能が正常化したとの報告もあります。ただし、これらは、短期間の結果であるため、今後長期的な視点での研究が必要だということです。

運動と免疫機能

鈴木克彦先生(早稲田大学 スポーツ科学学術院 准教授)からは、運動と免疫機能についての話がありました。 一般的なイメージでは、トレーニングを重ね頂点に立ったアスリートは健康そのもののような気がします。風邪をひいても気合で治してしまうような……。ですが、実は激しい運動や過酷なトレーニングは免疫機能を低下し、風邪をはじめとする感染症のリスクを増大させるらしいのです。その理由は、激しい運動によって免疫機能をつかさどるNK細胞やT細胞の数や機能が低下し、局所免疫に重要なはたらきを示す分泌型IgAの唾液濃度も一過性だが低下するということです。その結果、ウイルスに対して脆弱になってしまうのです。また、激しい運動をすると体内で活性酸素の産生が高まります。すると、酸化ストレスが引き起こされ、免疫抑制や筋の炎症などに関与するという指摘もあります。 実は運動は体によくないのか? という考えが浮かびますが、上記は「激しい運動」に限ってのこと。適度な運動はストレスや感染に対する抵抗力を強めることを裏付けるデータがたくさんあります。運動を習慣的に行うことで、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧といった生活習慣病を予防することにもつながります。また、運動はがんの予防にも再発予防にも有効であるという報告があるそうです。 適度な運動を継続して行うことは、免疫機能を高めますし、生活習慣病やがんの予防にも効果が期待できます。

食事献立とサクセスフルエイジング

順天堂大学 加齢制御医学の白澤卓二教授は、100歳を過ぎても元気でいるために必要な食事について話されました。 まず、白澤先生は、サクセスフルエイジング(*1)の例として、122歳まで生きたフランス人女性ジャンヌ・カルマンさんを紹介しました。フランスのアルルに生まれた彼女は、生前のゴッホと直接会ったことがあるとして、その印象をテレビのインタビューで話していたこともあるので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。 一般的に老年医学では、65歳以上を高齢者といい、74歳までを前期高齢者、75~84歳までを後期高齢者、85歳以上を超高齢者としていますが、私たちが抱く高齢者のイメージをカルマンさんは軽やかに覆します。たとえば、カルマンさんは85歳からフェンシングを始め、100歳を過ぎても自転車に乗っていたそうです。カルマンさんに長生きの秘訣を尋ねたところ「病気にならないこと」と答えたそうです。秘訣というには、いささかシンプルすぎる気がしますが、これは「予防医学」の重要性を語っているということにもなります。 日本では100歳以上の方が5万人を超えました。しかし、その8割は寝たきりの状態であるともいわれています。一方、残りの2割は現役並みに活躍されている方も少なくありません。同じように長生きしても寝たきりと生涯現役では大きな差があります。では、生涯現役のサクセスフルエイジングを目指すには、どうしたらよいのでしょうか。 白澤先生は、アンチエイジングの実践には、次の3つが大きく意味をもつといいます。

食事に関しては、食べ過ぎ(高カロリー)は厳禁とのこと。アメリカではアカゲザルのカロリー制限に関する実験がいくつか行われているが、マサチューセッツ工科大学の実験によれば、長寿遺伝子は、カロリー制限をすることで活性化されることが実証されています。被験猿の容貌を見ても、カロリーを70%減少した餌を与えられているサルは、制限のないサルに比べて、毛並みもつややかで動作も機敏でした。

ただし、カロリーを制限するあまり低栄養になることは防がなくてはいけません。そのためにも1日3食を食べ、良質なたんぱく質が不足しないようにすることが大切です。なるべく多くの栄養素を含むおかずから食べ、主食は控えめにするなどの工夫が考えられます。 運動については、先述の鈴木先生のお話にもありましたように、適度な運動を習慣にすることが大切です。「生きがい」は、生きる活力にもなりますし、笑いと免疫機能の講演で岩瀬先生ががんに罹った患者さんが、病気と立ち向かおうと考えるタイプと病気を否定するタイプのほうが、くよくよと悩んでしまうタイプよりも5年生存率が高かったことも報告していました。 親から伝えられた遺伝子だけが私たちの寿命を左右するのではなく、その後の環境要因(食事・運動・メンタル)も大きくかかわってくるのです。同じ遺伝子を受け継ぐ一卵性双生児でも、遺伝的要素が強いといわれる病気を片方だけが発症するのはよくありますが、これは、成長過程でそれぞれが得てきた環境要因が大きくかかわってくると考えられています。だからこそ、同じ日に同じ遺伝子をもって生まれた一卵性双生児も亡くなるときは別々ということになるのです。 このように私たちは、喫煙・過剰なアルコール摂取・暴飲暴食・慢性的な睡眠不足など日々の生活習慣によって、病気を生み出したり、老化を早めたりしていることを自覚しなくてはいけないでしょう。

*1:
サクセスフルエイジングとは、年齢を重ねても社会生活にうまく適応して、それぞれの年齢に応じた豊かな老後を迎えていることをいいます。

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2019年6月10日
ブラック さん

愛犬もいつかは死んでしまいます。その時の悲しみを少しでも和らげることができたらいいですね。

2019年3月18日
事務局 さん

りょうさん


ありがとうございます。
核家族化はますます進んでいます。自分たちの親たちに頼りたくても頼れない、でも仕事もしなれければ生活ができない…色々な葛藤を抱えながら新米パパママたちは想像以上に奮闘していいます。

たまには甘えたい時があると思います。
そんな時は今回のコラムを少し思い出して参考にしていただければ幸いです。

2018年10月22日
りょう さん

 子育てが大変な時代、本日掲載された「孫が産まれる前から培うジジババ力」は参考になりました。ありがとうございました。

2015年8月24日
小春 さん

人形焼きの板倉屋さん。

おいしいお店ですよね。

昔からファンです!

2014年5月20日
bovsan さん

僕は、アトム。今年16歳になるサバトラの猫。
鉄腕アトムに因んで賢明で強くなるようにという事らしい。
でも寄る年波には、勝てずここ1ヶ月体調を崩し、嫌々ながら通院中。
病院の先生方は、とても16歳には見えないね、毛艶も良いといつも褒めてくれる。
褒められるのは嬉しいけど先生のリップサービス、リップサービスと戒めている。
でも病院の待合室で患者のお母さんにも僕の顔が若いって驚かれた。
どうやら僕は本当に年相応に見えないようだ。特別にエステもやっていないし、それほど手を掛けてもらっているようには思えないんだけど・・・。
唯一思い当たるのは、お母さんと一緒にスターリミルクを15年食べ続けている事だけ。
お陰で殆ど大病もせず、若くいられたってことかニャン。
でもまだ通院中、頑張るニャン!

 
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