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一般社団法人 美しく老いる会第1回シンポジウム
美しく老いる 健康長寿先進国 日本の実現

更新日:2012年3月27日

2012年2月13日、東京築地の聖路加看護大学・アリスホールで「美しく老いる会」第1回シンポジウムが開催されました。定員350名の会場は立ち見が出るほどの盛況で、主催者によれば北海道や沖縄など遠方からの参加もあったといいます。

人類史上例のない高齢社会へといち早く突入する日本。これまでの高齢者という概念も柔軟に変化してきました。そんな昨今にあって、「美しく老いる」というキーワードはこれからを生きるすべての人の指標になるのではないでしょうか。

当日は、6つの講演とパネルディスカッションが行われました。簡単にそれぞれの講演をご紹介しますので、そのなかから「美しく老いる」ためのヒントを見つけていただければと思います。

高齢化社会におけるヘルスケア産業の可能性

経済産業省 ヘルスケア産業課 藤本 康二 課長

経済産業省のヘルスケア産業課は、2011年に誕生しました。ここでは、医療保険で対応できない周辺の健康関連サービス産業の推進を目指します。健康関連のサービスが産業として成り立つことで、サービスを受ける側にある私たちの生活がどのように変わるのか、経済産業省ヘルスケア産業課の藤本康二課長から、話がありました。

たとえば、日本の国民病ともいわれる「糖尿病」は、年々患者数も患者予備軍も増加傾向にあります。「糖尿病予備軍」といわれる人たちを健康体にとどめるには、医療保険の外で新たな取り組みを行わなくてはなりません。医療保険制度の崩壊の危機もささやかれるなか、経済産業省では糖尿病の予防指導など疾病予防管理やリハビリを事業化していく予定です。健康に関する指導を産業化することで、国民の健康と内需拡大を目指しています。

生きがいを持って生きる~老いて心健やかに。絆の下に~

聖路加国際病院 日野原 重明 理事長

昨年10月に100歳を迎えた聖路加国際病院理事長の日野原重明先生は、40分の講演を、立ったまま行いました。まさに健康に「美しく老いる」を実践している日野原先生の言葉には、説得力がありました。

日本は世界でも類を見ない長寿国家です。まさに長寿国家を牽引する日野原先生は、体重計・体温計・血圧計は健康をつかさどる三種の神器として、自己管理の徹底を促しました。

まず、体重に関しては、30歳のときの体重と腹囲をキープすることが大事なのだと述べました。ベルトの穴がどんどん外側に移動しているお父さん、ゴムウエストのスカートをついつい穿いてしまうお母さん、30歳のときの体重、覚えていますか?

血圧は、日常的に家で測る習慣をつけましょう、とのこと。病院で測ると緊張からか通常より高めの血圧になるということは、「白衣性高血圧」という言葉とともに知られていますが、逆に、朝目覚めたときにもっとも血圧が高くなり、その後落ち着いてくるという場合もあります。その場合、病院へ行く頃には落ち着いていることが多く、血圧の異常が医師に発見されないこともあります。

体温計に関しては、こちらも自身の、家族の健康を見守るうえでの基本です。「熱っぽいな」と、感じたら体温を測り、安静にする、または病院へ行くようにします。

身体の健康とともに日野原先生が注目するのは「心」気持ちの問題です。
楽しみがある日は目覚めがよいことに触れ、朝に「幸福度」がわかるといいます。そして、「幸福度」を自分で実感できる人は、「生きがい」を感じることができ、それは「健やかさ」につながると話されました。

統合医療における認知症の改善について

昭和大学医学部第一解剖学教室 塩田 清二 教授

日本人の女性の平均寿命は86.39歳で世界1位、男性は79.64歳と世界4位。4位とはいっても上位国との差はわずかです。日本はトップクラスの長寿国です。

長寿の人に共通するものとして、昭和大学医学部第一解剖学教室の塩田清二教授が挙げたものは次の4つです。実践できる部分は心がけていきたいですね。

  1. 体をうごかす
  2. ストレスがない
  3. 周辺環境がよい(水や空気がよい)
  4. 家族と同居(会話がある)

次に、本日の講演の核心部となる「認知症」ですが、まず、認知症ともの忘れは違うものであることをはっきりさせるため、塩田先生は次のように語りました。
もの忘れは体験の一部が思い出せないのに対して、認知症は体験そのものの記憶がないことが多いといいます。たとえば、「トマトを買った」という記憶がなく、翌日もその翌日もトマトを買い込んできて、冷蔵庫のなかがトマトだらけになる、などという現象が起こったら、周囲の人は認知症を危ぶんでください。

認知症といわれるものには、アルツハイマーと脳血管障害から発症するものがあります。アルツハイマーは、現在24万人いるといわれており、80~90歳では、4人に1人とも、3人に1人ともいわれています。

私たちの体内で、タンパク質の産生・分解のバランスが崩れると、不溶性アミロイドが増え、神経細胞を攻撃し、シナプスのはたらきを悪くします。その結果、認知機能に悪影響が出るといわれています。一方、魚の白子に多く含まれる核酸には、不溶性アミロイドの増加を防ぐはたらきがあると考えられています。今後、核酸の認知症に対するエビデンスが証明されるようになることが願われます。

また、アロマセラピーが認知機能の改善に期待されていると塩田先生は紹介しています。老健施設で暮らす70名に1か月間、1日3時間、柑橘系のオイルを嗅いでもらったところ、認知機能の改善が認められたといいます。

こちらに関しても、臨床試験を行い、医療としてのアロマセラピーの研究を続けていくそうです。

老い・介護と臨床現場

東京厚生年金病院内科部長 溝尾 朗 医師

日本は確かに長寿国になりました。厚生労働省の資料によれば、100歳以上の人は2011年には47,756名いらっしゃるとのこと。しかし、悲しいかな。一方で、このうちの3分の2の人は要介護状態で、自立した生活ができない状態にあるといいます。

「要介護状態にならない」「健康寿命を平均寿命に近づけよう」と語るのは、東京厚生年金病院内科部長の溝尾朗先生です。溝尾先生は、「病院から自宅へ」をテーマに医療・看護・介護・患者の間の連携を模索しています。

自宅での介護を可能にするのは、まず自宅近くのクリニックのドクターが主治医になる必要があるといいます。入院先の総合病院から退院する際には、病院がもっている患者さんの治療情報を、自宅近くのクリニックに移し、情報の共有を図ります。そして、クリニックでの治療記録についても病院の医師と共有することができれば、患者さんの病態が急変した場合でも、適切な対応ができるようになるというのです。

要介護状態になっても、地域で生き生きと住み続ける

セントケア・ホールディング株式会社 訪問看護支援部長 岡本 茂雄 執行役員

介護保険サービスのほとんどを提供しているセントケア・ホールディングス株式会社で、訪問看護支援部長を務める岡本茂雄氏は、実際の介護現場を知り尽くしたうえで、要介護状態になっても生きがいをもって生きられるのではないかと話されました。

介護保険サービスの利用者は75歳以上で増え、要介護2以上の認定を受けている人が男性では71.2%、女性では60.18%であるといいます。年齢が高くなるほどに要介護状態の人は増え、要介護度も高くなります。

しかし、岡本氏は在宅で通所サービスの利用が介護生活の基本になるといいます。そのためには、まず、要介護度が上がらないように身体能力を維持するとともに、生活能力の維持も大切だといいます。「台所になど入ったことがない」といった男性の場合、食事をつくるなどの生活能力そのものが低くハンデとなるので、男性の方は元気なうちに、家事能力を身に着けておかれるとよいのではないでしょうか。また、公的な介護サービスの枠内に収まらないサービスを希望することを考え、民間の介護保険も充実してきているといいます。

要介護状態になっても生きがいを持つ例として、要介護4の74歳、車いすの男性のケースを挙げていました。

この方は、奥様と二人暮らし。介護サービスとしては、週に一度のデイケア、入浴サービスなどを中心に利用されていました。この方の望みは、「少しでも歩きたい」「娘の結婚式でバージンロードを歩きたい」といったものでした。

まず、自立歩行に向けて、福祉用具を選び、リハビリをしました。リハビリの成果で、トイレまで自分の足で歩くことができるようになり、現在はソファーに座ってテレビを見られるようになったといいます。男性の傍でリハビリなどの様子を見守ってきた夫人は、現在の生活を「穏やかな時間」と感じているそうです。

食育は運動、音楽および医学とその環境整備による!

服部栄養専門学校 服部 幸應 理事長

料理人対決のテレビ番組での名解説で知られる服部栄養専門学校理事長の服部幸應氏は、運動が苦手といいつつ、1日390回のスクワットをしているという自らの生活を紹介し、運動について話し始めました。

バリアフリー化していく社会において、実は「バリア有り~」も必要なのではないか、と提案しました。多少の負荷をかけ、険しい道を意識して歩くことで、だんだん体力がついてくるのではないか、と話します。

次に、徳川家康、秀忠、家光に仕えた江戸時代の天海和尚の「長命の歌」を引き、長生きの極意を紹介しました。

長命は、粗食、正直、日湯、陀羅尼、時折、ご下風あそばさるべし

まず、長生きには次のことが肝要とのことです。

1)粗食
腹八分目ではなく、腹七分目が望ましいそうです。ただし、高齢になってもタンパク質は大切な栄養素です。肉も食べなくてはいけないそうです。
2)正直
なんでもずけずけ言葉にすると、すっきりしますね。つまり、気を使いすぎてストレスをため込んではいけないということです。
3)日湯(ひゆ):
毎日、入浴することです。入浴にはリラックス効果もありますし、血の巡りもよくなります。同時に常に清潔でいることが、感染症などの予防にもつながるのでしょう。
4)陀羅尼(ほだら):
お経を原文(サンスクリット語)のまま唱えることです。
5)下風(げふう):
おならのことです。これも我慢すると体によくありませんね。

パネルディスカッション

座長:東京医科大学医学部 増山 茂 教授
パネラー:日野原 重明・服部 幸應・塩田 清二・溝尾 朗・岡本 茂雄・藤本 康二

講師全員によるパネルディスカッションが行われました。座長を務めたのは、東京医科大学医学部教授の増山 茂先生です。事前に会場から、質問を集め、それに対して答える、討論するというかたちで進行しました。

まず、ダントツに質問が多かったのが、「100歳の日野原先生の元気の秘訣!」
これに対して、日野原先生は、朝起きたとき、「今日は○○をしよう」と何か目標をもっていたほうがよいといい、年齢に関係なく、新しいことを始めることを勧めました。ご自身も98歳から俳句を始めたそうです。

ほかにも、「高齢化により、年金は破たんしないのか?」「日本の介護サービスは他国に比べてどうなのか?」「最期は家で迎えたいが、どうしたらよいか」など、さまざまな質問が寄せられ、講師の先生方が答えていきました。

最後に、日野原先生から「100歳になれば、今までどおりの生活は難しくなってくるので、自分のミッションは何かを考え、そこから遠いものを削っていき、自らがやらねばならないものを行っていく」と、お話がありました。

これこそが、「美しく老いる」極意のような気がいたします。

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2019年6月10日
ブラック さん

愛犬もいつかは死んでしまいます。その時の悲しみを少しでも和らげることができたらいいですね。

2019年3月18日
事務局 さん

りょうさん


ありがとうございます。
核家族化はますます進んでいます。自分たちの親たちに頼りたくても頼れない、でも仕事もしなれければ生活ができない…色々な葛藤を抱えながら新米パパママたちは想像以上に奮闘していいます。

たまには甘えたい時があると思います。
そんな時は今回のコラムを少し思い出して参考にしていただければ幸いです。

2018年10月22日
りょう さん

 子育てが大変な時代、本日掲載された「孫が産まれる前から培うジジババ力」は参考になりました。ありがとうございました。

2015年8月24日
小春 さん

人形焼きの板倉屋さん。

おいしいお店ですよね。

昔からファンです!

2014年5月20日
bovsan さん

僕は、アトム。今年16歳になるサバトラの猫。
鉄腕アトムに因んで賢明で強くなるようにという事らしい。
でも寄る年波には、勝てずここ1ヶ月体調を崩し、嫌々ながら通院中。
病院の先生方は、とても16歳には見えないね、毛艶も良いといつも褒めてくれる。
褒められるのは嬉しいけど先生のリップサービス、リップサービスと戒めている。
でも病院の待合室で患者のお母さんにも僕の顔が若いって驚かれた。
どうやら僕は本当に年相応に見えないようだ。特別にエステもやっていないし、それほど手を掛けてもらっているようには思えないんだけど・・・。
唯一思い当たるのは、お母さんと一緒にスターリミルクを15年食べ続けている事だけ。
お陰で殆ど大病もせず、若くいられたってことかニャン。
でもまだ通院中、頑張るニャン!

 
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