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『カカ・ムラド―ナカムラのおじさん』

2021年7月16日

2019年12月4日、ペシャワール会現地代表の中村哲医師の訃報が届きました。いつものように用水路を整備にいくところを襲われ、銃撃されたのです。中村さんにとっても一緒に働くアフガニスタンの人々にとっても、いつも通りの朝だったはずなのです。
日本でこのニュースが駆け巡ったとき、おそらく多くの人が「なぜ?」と暗澹(あんたん)たる思いになったことと思います。

現地の人に愛された中村医師の功績

ガフワラ 原作
さだまさし・ほか 訳・文
双葉社
1500円(税別)

今回、ご紹介する一冊は、「いつまでも中村さんを忘れず、中村さんの功績を伝えていこう」というアフガニスタンの人の思いから生まれた絵本2冊の日本語版です。
中村さんが凶弾に倒れたとき、中村さんの支援は一方通行だったのか……一瞬そんな思いが沸き上がりましたが、やはり多くの現地の人から愛され、尊敬されていたことがこの一冊からは伝わってきます。

日本語版のタイトルとなった『カカ・ムラド―ナカムラのおじさん』を著したのは、NGO「ガフワラ」の代表のザビ・マハディ氏。彼は日本に留学した経験があり、その際に日本の絵本や児童書にふれ、情操教育には良質な絵本が必要だと実感しました。
ザビ・マハディさんは帰国後、NGOを立ち上げ、絵本を通した教育活動を行っています。生前の中村さんとも深い親交がありました。

生命を守るための用水路作り

中村さんが現地を訪れた十数年前はきれいな水がなく広大な土地は砂漠化していました。連日のように体調を崩して病院を訪れる多くの人を診ているうちに、病気の原因は汚れた水にあると中村さんは考えました。病気の人を救うために、苦労の末、用水路を作り、川の清潔な水を村にもたらしました。ザビさんの一編は、中村さんの功績を中心に構成されたお話です

生命を維持するには、水は必要不可欠です。医師である中村さんが懸命に土木作業に従事し、「水」をもたらした結果、村人の病気もなくなり、砂漠化していた薄茶色の大地には緑が戻りました。水路を確保したことで、農業も復活しました。農作物を売ることで生活をしていけるようになったことで、家族を養うために外国部隊の兵士になっていた人も、地元で生活できるようになりました。

今も生き続ける中村さんの平和への思い

アフガニスタンの人の命と暮らし、そして平和をもたらした中村さん。道半ばだったとは思いますが、中村さんが撒いた平和の種はすくすくと成長しています。
中村さんの愛があふれる偉業を振り返る意味でも、アフガニスタンの人たちの今後の志を知る意味でもぜひ読んでいただきたい一冊です。

最後に中村さんが生前繰り返し語っていた言葉をご紹介します。
「平和には戦争以上の力があり、平和には戦争以上の忍耐と努力がいる」
私たちには知恵も忍耐力もあります。平和を維持するための努力を続けていきたいと思います。

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2020年1月24日
事務局 さん

りょうさん


ありがとうございます。
いよいよ東京オリンピック・パラリンピックまで半年となりました。
スポーツはする側も見る側も楽しむだけでなく、感動や勇気を与えてくれるので人々の心を豊かにしてくれるですね。
オリンピック・パラリンピックでは、沢山の選手の熱い闘いを目と心にに焼きつけたいものです。


2019年12月26日
りょう さん

全神経を集中させる静寂の競技「ゴールボール」は面白そうですね、このような障がいの有無を問わず同じ条件で健常者も楽しめる競技が増えることは、スポーツの豊かさにつながり、オリンピック・パラリンピック本来のものと思います。たのしみにしています。

2018年4月20日
りょう さん

 写真家ヨシダナギさんについてのコラム、大変興味深く読ませていただきました。被写体を単に外側から撮るのではなく、自らも被写体と一体となって内側から撮る写真には、たぶん実相が映されているでしょう。是非、写真展を観にいこうと思います。ありがとうございました。

2016年6月29日
りょう さん

アドラー心理学が注目されているようですね。「嫌われる勇気」という言い回しが現代受けするからでしょう。その根底には、目的論があり、西洋は依然としてこの2項対立構造から脱していない。親鸞の「悪人正機説」を2項対立的に受け止めてはいけないように、「利己的な私は嫌われても仕方がない」という自覚が根底にないと、厚顔無恥な人間ばかりを生み出すように思われる。

2016年3月8日
事務局 さん

小春さん

こんにちは。

紹介した本にご興味をもっていただいてありがとうございます。

親子の間では、照れくさくて優しい言葉をかけにくいものですが、大きな病気をした人の気持ちを思いはかり、寄り添うことは大切なことですね。

また、本を読んだら、感想をお寄せください。


事務局

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