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気になるカラダの症状

こころの病気

うつ病は身近な病気です

写真 こころの病気といえば、うつ病を思い浮かべる方が多いと思います。うつ病は一生涯で6人に1人が経験するといわれていますので、決して特別の病気ではありません。厚生労働省の平成20年度の患者調査によると、うつ病の患者さんの36.7%が65歳以上であることがわかります。この世代は配偶者をはじめとする親しい人の病気や介護、別れと心を痛めることも増えてきます。また、自身の健康不安も年を重ねるごとに強くなっていきます。このような悲しみや不安を抱えやすいシニア世代は、大きなストレスを抱えているともいえるのです。

うつ病の症状といえば、「気分が落ち込む」などの憂うつ感が知られています。人間、生きていれば嫌なこともあり、誰でも落ち込むことはあります。しかし、このような落ち込みは時間がたてば薄らいできたり、好きなことをして気分を紛らわせたりすることができますが、うつ病の落ち込みは通常のものとはまったく異なり、長期間続きます。うつ病になると、大好きなゴルフやカラオケも気分転換にはなりません。そもそも好きなことも含めて何もしたくなくなってしまうのです。

こんな症状もうつ病のシグナル

気持ちが落ち込むだけがうつ病の症状ではありません。ある調査によると、多くの患者さんは「よく眠れない」「夜中に目が覚めてしまう」といった眠りに関する悩みや、「疲れがとれない」といった倦怠感、肩こり頭痛などの身体症状から受診しています。この時点では、本人もうつ病とは思っていませんので、精神科ではなく60%以上の方々は内科を受診しているそうです。うつ病の症状としてよくいわれる「意欲・興味の減退」「仕事の能率低下」「抑うつ気分」「不安感」などの症状は、医師との問診のなかから気づいていくそうです。

精神科は受診しにくい?

受診のきっかけとなる自覚症状が身体にかかわるものが多いため、内科や婦人科などを最初に受診する人が多いと先ほども述べましたが、内科や婦人科でもうつ病の治療薬は処方してくれます。ですが、うつ病と医師も気づかず睡眠導入剤の処方だけに終わったり、「疲れているようなので、ゆっくり休んでね」と労われるだけで終わったりすることもなくはありません。

また、うつ病と思っていたら双極性障害(躁うつ病)のうつ状態だった、ということもありますし、ほかの精神疾患を併存していることもありますので、できれば、専門医に診断してもらうことをお勧めします。

精神科の病院はなじみが薄い人が多いため、何となく敬遠したくなりますが、大学病院の精神科でしたら、ほかの科と変わりなく受診できますし、メンタルクリニックなどは、精神科の病院のイメージを払拭するような内装にし、医師も白衣を着ないなど、敷居を低くする工夫があります。

ただ、メンタルクリニックは予約制のところが多いので、受診する際は予め電話で問い合わせをし、予約をされるとよいでしょう。

精神科の診察ってどんなことをするの?

からだの病気と違ってこころの病気は、熱や血圧、血糖値などを測って判断できるものではありません。こころの病気の診断は基本的には、医師の問診によって行われます。医師は患者の訴えを聞き、症状や状態を把握します。

おもに問診で確認することは、次の6つです。

1. 現在の症状

どんな症状があるのか、具体的に聞かれますので、「眠れない」「朝がつらい」「何もする気が起こらない」など正直に話しましょう。

2. 生活習慣

飲酒や喫煙、嗜好品などが聞かれます。

3. 性格

もともとの性格について聞かれます。社交的か引っ込み思案か、几帳面かおおざっぱか、など。

4. 既往症

これまでにかかった病気について聞かれます。脳卒中や頭部打撲、甲状腺疾患では精神症状が現れることもあるのです。

5. 家族の状況

家族に精神疾患を患った人がいないかなど聞かれます。こころの病気は遺伝ではありませんが、遺伝的な要素も考慮されます。また、家庭環境の問題が発症の一因になっていないかを知るためにも、家族関係について尋ねられることがあります。

6. これまでの道のり

これまでのあなたを取り巻く環境(社会適応能力や対人関係)を把握するために、発達・発育状況、学歴、職歴、婚姻歴などを聞かれます。

ほかにも、自傷行為が疑われる傷はないか、身だしなみに気を使っているかなど外見からも確認されます。

精神科の治療ってこわくない?

写真 精神科の病院のイメージを聞くと、窓に格子があるなど閉鎖的なイメージを抱いている方がいらっしゃいます。そんなところに入院することになったら! と心配すると受診をためらってしまうでしょうが、実際にはそのような閉鎖病棟は非常に少なく、うつ病と診断されたほとんどの方が通院治療で改善を目指します。

治療の中心は薬による治療です。抗うつ薬にはいくつかタイプがあり、現在多くの患者さんが服用しているのは、SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬)というタイプの薬で、セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質にピンポイントに作用します。この2つのタイプは、それまでの抗うつ薬に比べ副作用が少ないことも特徴的です。そうはいっても、服用を始めてしばらくは、吐き気などの副作用が現れることがあります。しばらくすると落ち着くことが多いのですが、いつまでも続く場合や嘔吐などが強く現れた場合は、速やかに医師に報告するようにしましょう。

また、薬の飲み合わせなどを配慮する必要があるため、ほかの病気で薬を処方される際は、服用している抗うつ薬の名前を医師に伝えることが大切です。薬の名前を覚えるのは大変ですから、「お薬手帳」を活用されるとよいでしょう。

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