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気になるカラダの症状

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

その息苦しさ、病気かもしれません

写真 慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気をご存知ですか? 慢性気管支炎や肺気腫などにより慢性的に気道が閉塞し肺への空気の流れが悪くなる病気の総称です。

2009年のWHO(世界保健機関)の報告書では、全世界でCOPDの患者さんは2億1000万人と推計されています。2005年には世界で300万人以上の人がCOPDで亡くなっており、その数は同年に亡くなった人の5%を占めます。2030年には世界の死亡原因の第3位(全体の8.6%)になると予想されています。

日本では、COPDの患者数は22万4,000人、受療率は32%となっています(厚生労働省の2008年度の患者調査)。同じ慢性疾患のなかでは高血圧症や糖尿病と比べ、患者数が少ないように思われますが、死亡者数は15,520人(2008年人口動態統計)と、決して少なくはない数の方が亡くなっており、もっと社会的に注視していかなくてはならない病気であることがわかります。

COPDの原因はタバコ

COPDは気管支や肺などに障害が生じる病気で、その最大の原因はタバコ! COPDの患者さんの90%が喫煙者という報告があります。また、タバコの害は男性に比べ女性のほうが受けやすいといわれているので、受動喫煙も含めて女性の方は一層の注意が必要です。

COPDの発症と経過はとてもゆっくりしていて長い時間をかけて気管支と肺を蝕んでいきます。「タバコを吸って30年にもなるので、いまさら」と思われる方もいるかもしれませんが、タバコをやめることで病気を防ぎ、万一COPDになっても進行を遅らせ、症状を軽減することは可能です。

息切れを軽く考えないで

COPDのもっとも代表的な症状は息切れです。階段の昇り降りなどで、息切れを感じることはありませんか? 「おれも年だなあ」「最近、疲れているから」と自分を納得させていませんか? COPDは症状の現れ方がゆっくりしているため、早期発見が難しい病気です。そのため、かなり症状が重くなってから受診される傾向にあります。

そのほかには、咳や痰が頻繁にでることも病気発見の一つの目安です。ときには、ヒューヒュー、ゼイゼイといった喘鳴がでることがあります。

これらの症状に気づいたら、ぜひ病院へ! とくに喫煙者の方々はこれらの症状を見逃さないようにしましょう。受診する病院や診療科は、呼吸器科が理想ですが、まずはかかりつけの病院・クリニックで診てもらい、必要に応じて専門病院を紹介してもらうこともできるでしょう。

COPDはいったんかかってしまうと完治しません。症状が進行すると、日常生活に大きな支障を与え、ときには命を奪う原因にもなります。早期発見し早期治療を行うことで、症状の進展を遅らせることができます。

COPDの治療

COPDの治療にはいくつか方法がありますが、薬物療法など医師の判断で行う治療のほかにも、患者さん主導で行う治療があります。

患者さん主導で行う治療

禁煙

最初に行うべきことは禁煙です。本数を減らしたり、ニコチンの少ないタバコに変更したりするのではなく、完全禁煙こそが必要です。

運動療法

からだを動かすと息切れがする状況では運動を敬遠したくなりますが、運動不足は体力を低下させ、症状が悪化することもあります。ウオーキングなど無理のない範囲で運動をすることが大切です。運動前にはストレッチなど準備体操をしましょう。また、ウオーキング中に具合が悪くなったときの対処として気管支拡張薬を携帯していると安心でしょう。

栄養管理

COPDの方は栄養と水分の摂取に配慮するようにしましょう。
肥満傾向にある人は適正体重になるように食事に気をつけましょう。おなかに脂肪がつくと横隔膜の動きを悪くして、スムーズに呼吸することが難しくなることがあります。呼吸が効率よくできないと体内に二酸化炭素がたまりやすくなり、酸欠状態になります。このような状態になると息苦しさだけではなく、心臓へも負担がかかります。
一方、やせ気味の人では、呼吸をするだけで体力を消耗し、ますます体力が低下します。COPDの人が風邪やインフルエンザにかかると、ほかの人よりも重症化しやすいので、感染疾患の予防という観点からも、しっかりと必要な栄養を摂取し、体力を落とさないようにしましょう。
また、COPDは痰が気管支にからみやすくなります。痰を出しやすくするために、水分を多めに飲むようにしましょう。

医師の指導を守って行う治療

薬物療法

COPDの治療薬にはいくつかのタイプがあります。もっともよく使われる薬は気管支拡張薬という気管支を広げることで、空気の通りをよくする薬です。スポーツなどからだを動かす前に使うことで、息切れなく運動することができます。日常的に息切れがある場合は、長時間作用が持続する薬を使います。
そのほか、咳を鎮めたり痰を切れやすくしたりする作用の薬、気管支の炎症を鎮める薬、気管支の細菌を殺し感染を防ぐ薬などがあります。
いずれの薬を使用する場合も医師の指導を守ってください。

外科手術

内科的な治療で改善がみられず、十分な日常生活が送れない場合、手術という選択肢もあります。

酸素療法

内科的治療を行っても低酸素血症が改善されない場合は、酸素療法を開始します。酸素ボンベから専用のチューブを鼻に通して酸素を吸入します。最近の液体酸素はコンパクトになり、外出する際も以前より負担にならないようになってきました。酸素療法を行うことで、職場復帰を果たしている人もいます。

COPDの日常のケア

歩くなど動作のとき

COPDの人は、日ごろから呼吸を意識しながら生活することが求められます。
歩くとき、荷物を持ち上げるとき、かがむときなどの動作では、「口すぼめ呼吸」をするようにしましょう。

口すぼめ呼吸とは…
鼻から息を吸い、口をすぼめてゆっくりと息を吐く呼吸法です。息を吐くときは、吸うときの倍の時間をかけるつもりでゆっくりと吐きます。この呼吸法をすることで気道内圧を高め、肺からより多くの息を出すことができるようになります。

食事・入浴・トイレ

食事では、1回の食事で大量に食べないように気をつけます。満腹になり胃が膨らむと息苦しさが増してくるからです。ただし、1回の食事量を減らした分、上手に間食を取り入れ、必要栄養量は摂取するようにします。

入浴のときは、浴槽のお湯の量が胸の高さまでこないようにします。水圧がかかると息苦しさが増すことがあります。

トイレで排便時にいきむと息切れの原因になります。このようなときも口すぼみ呼吸をするようにします。

そのほか呼吸をするときに使う筋力を衰えさせないためにも、口すぼめ呼吸を意識しながら上半身のストレッチ運動を日課にされるとよいでしょう。

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